25歳

平成が終わるそうなので。

普通

ずっと恋人がいないとか、男の人が苦手とか、触れられると気持ち悪いとか、結婚に憧れないとか、そういうことを話すと、たいてい何か理由があるんじゃないか、過去にトラウマがあるんじゃないかとか思われる。


実際、ネットを見てみても、何かしら過去に抱えている、あるいは今現在何か課題や問題を抱えている人は多い。


毒親育ちとか、犯罪被害に遭ったことがあるとか、何か障がいや病気に悩まされているとか。



でも、私は何にもない。


いじめられたこともない。

誰かに危害を加えられたこともない。

父親は好きではないけれど、殴られたりしたことはないし、お金は出してくれた。


いたって健康に育ち、小中高に毎日通い、大学を出て就職した。


凹んだこともあったけれど、病むほどのことはなかった。


長電話をしたりはないけれど、連絡を取る友だちはそれなりにいる。


仕事では、なんとか1人で生きていけるだけは稼げている。


大したものではないけれど、趣味もある。



普通すぎるくらい、普通の毎日を送ってきた。



なのに、恋愛にだけはいまひとつ、踏み出せないまま時間が過ぎた。




高校生になれば、大学生になれば、大人になれば、恋をして、その人と一緒にいたいと思うようになるのだと、ずっと思っていた。



でも実際には、告白されても嬉しさよりも先に焦りや怖さがやってきて、突き放したくなる。


好きな人ができても、好意を向けられた瞬間から、嫌われたくなる。


自分で自分が好きではないからか、自分を好きだという異性は信用できない。


自分を好きにならない人を好きになる。



好きだからといって、付き合いたあとは思わない。





初めて男の子とふたりで一緒に帰った時、ふたりで遊んだ時。


わたしにも、男友だちができたと思った。



でも相手はどうやら違ったようで、付き合ってほしいと言われた。


裏切られたような気持ちになった私は、告白を断り、嫌われるような態度をとるようになってしまった。



大人になって、友だちとして大切にしたい男の人とふたりで会うのはやめた。




ようするに、自分勝手なのだ。



でも、私は未だに、自分のことを好きだという人の気持ちの、受け入れ方がわからない。



どうして好きな人と一緒にいたい、一緒にいられると幸せになれるという発想に辿りつくのかがわからない。




私はまだ、そのスタートラインにも立てていないのだろうか。



普通に生きてきたと思っていた25年間は、普通ではなかったのだろうか?




いつか、私も相手の気持ちを受け入れて、一緒にいたいと思う日がくるのだろうか?